2023年 8月19日 土曜日、午前8時台の新幹線で新潟県より上京。まずは池袋へと向かう。
今回の上京の第一目的地、池袋芸術劇場でお笑いコンビ ニューヨークの単独ライブ「虫の息」を見る。(最高だったので是非オンライン配信で見てください)
池袋で一人飲みを少しだけしてから、もう一つの目的地 葛飾区某所へと向かう。
YouTubeで配信されているラジオ番組「シーラカンスの逆襲」。その公開収録へと参加する為だ。
「シーラカンスの逆襲」とは、かつてはTBSラジオ「火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ」のネタ投稿者であり、現在は爆笑問題の事務所「タイタン」に作家として所属している あんけいよーさん、そして女性芸人としてホリプロコムに所属しつつ、父のあとを継いで不動産屋の社長をしている寅人(とらんちゅ)さんの2人がパーソナリティーを務めるネットラジオ番組である。
元々は「笑え金魚ちゃん」という前身番組があった。「笑え金魚ちゃん」は一部のラジオリスナーからカルト的な人気となり、地上波ラジオ番組や本など、様々なメディアにも取り上げられた、熱狂的ファンを持つ人気番組であった。
しかし、メンバーの脱退をきっかけに番組は終了。残った2人は番組名を変えながらもラジオを続けている。
番組のリスナー数は以前と比べるかなり少ない。「笑え金魚ちゃん」という様々な化学反応が起きて熱を帯びた奇跡のような番組と比べてしまうと、聴いていて物足りないのかもしれない。しかし、「シーラカンスの逆襲」になっても聴き続けているリスナーたちは、相変わらず2人のラジオを求めている。その結果、濃縮還元されたような、はたまた液体の底に残された濃い澱みのようなリスナーたちが聴いている。
今回公開収録が行われた経緯を説明するのは複雑だが、ラジオ内でのトークの流れから「リスナーで集まって荒川の河川敷で草野球したいね」「そしたら荒川だしリスナーの空城桃太郎さん長髪だから金八の格好してもらおう」みたいな話で盛り上がり、「新潟に住んでる犬大丈夫さんが東京に来る日があったらその日に合わせてとかね」と2人が話していたので、前々からニューヨークの単独ライブを見に上京予定だった日程を私からメールした。そして紆余曲折あり当初の予定だった草野球はやらないことになり、「俺たちはくさったミカンじゃねぇ!真夏のバカチン甲子園」というタイトルで公開収録が行われることとなった。
葛飾区某所、初めて降りる駅である。
ここは「せんべろ」的な飲み屋がたくさんある良い街らしく、そういった飲み屋にも行ってみたいなとも思っていたのだが、あまり酔っ払って公開収録に行っても申し訳ないのでやめた。
駅を降りて商店街を歩く。初めて来たのにどこか懐かしさを感じるような街だ。
途中にダイソーがあったので、何か買って野球にちなんだ格好するなりなんなり、何か仕込んで行くか?とも思ったが、何も思いつかないしスベったたとき恥ずかしいからやめた。
道を歩いていると1台の救急車が止まっている。すると、目の前をおじいちゃんを乗せた担架が通る。本日も日本は暑い。熱中症だろうか?お大事に。
住宅街を通りながら細い路地を入ると目的地に辿り着いた。地区の公民館的な場所である。見た瞬間、ものすごいローカル感に思わず笑ってしまった。
公開収録の開場時間は18時10分、18時30分から開始ということだったのだが、それまでまだ少し時間があった。
そのまま住宅街を散歩してみることにした。
歩いていると、子どもたちが道におもちゃを並べて水鉄砲で遊んでいた。見知らぬ男(私)が歩いてくることに気付いたお母さんが「ちょっと広げ過ぎ、もうちょっと片付けなさい」と言う。
知らない街にもたくさんの人たちが日々生活しているという当たり前のことを感じながら歩く。なんだか楽しい。
子どもたちの横を通り過ぎ、道を先へ進むと、荒川土手の方に近付いていた。
「こんなに川が近いんだな」
土手に上がるとスカイツリーが見えた。夕暮れも終わりはじめていたが、とりあえずスマホの写真に収めた。
そろそろ時間になっていたので来た道を戻る。
会場の入り口には手書きの貼り紙が。
「シーラカンスの逆襲 公開収録入り口 スリッパに履き替えて2階へどうぞ」
建物に入り、2階へと階段を上がっていく。
階段の先の部屋から数人の会話が聞こえてくる。
靴を下駄箱に入れながら、ドキュメンタルで控え室に参加者が順番に入っていくようだなとか思いながら、ゆっくり障子の戸を開ける。まず目に入ったのは「ラジオBAR 南国の夜」Tシャツを着た下着泥棒、もとい、与太ガラスさん。
今回の公開収録のお手伝いとして、始まる前の諸々をパーソナリティーの2人に任されたらしい。
与太ガラスさんとは「笑え金魚ちゃん」第2回公開収録後の飲み会で同じテーブルで話したことがある。
与太ガラスさんからの説明を受けながらウェルカムドリンクをいただいたりしていると、
奥のクーラーの前に金八先生が父兄参観のように立っているのが目に入り、思わず笑ってしまう。
空城桃太郎さんが完璧な金八コスプレで来ていた。さすがである。しかし背広にネクタイでとにかく暑そうだ。
すでに来ていたドブリンさん、ふねさん、すったにさんともご挨拶。
すったにさんとは初めまして。ドブリンさん、ふねさんとは会ったことはあるが、そこまでたくさん会話したことはない。ふねさんは前に会った印象よりだいぶイカつくなっていた気がする。
ドブリンさんから、あんけいよーさん寅人さんがイラスト化された手作りのステッカーをいただく。ドブリンさんはただの女ボウズではなく女漫画家ボウズなのだ。
すったにさんはこの公開収録の為に、自身の経営するエアコン修理会社をその日1日休みにし、社員の皆から批判を浴びながら宇都宮からやって来たらしい。おかしな人だ。
しばらくすると、会場を間違えて遅れていた、かねやんさんも登場。
かねやんさんからは横浜土産、すったにさんからは栃木土産、空城桃太郎さんからもなぜかハリウッドザコシショウのマグネットを貰った。自分も何か手土産持ってこようと地元駅で色々見てみたけれど、なんか微妙な感じがして買わなかった。いただく一方で非常に申し訳ない。
公開収録への参加者は7人。パーソナリティーは2人。合計9人の野球チームと同じ人数で公開収録が行われた。
あんけいよー、寅人の2人が登場し、早速2人の前説風漫才からスタート。
参加するメンバーのことをひとりひとりイジっていく漫才で、とても面白かった。漫才中になぜか私のところまで2人がやってきて、あんけいよーさんのタイタンの名刺、寅人さんの不動産屋の名刺をいただく。(あんけいよーさんからは某有名構成作家の名刺を私に間違えて渡すというボケも挟みつつ)
2人の名刺を貰えたのは地味にめちゃくちゃ嬉しかった。
正直言って漫才の内容はあまり覚えてないのだが、2人の佇まい、所作は完全に漫才師だった。素人の出し物ではなく、プロの芸人だった。華があった。それでいて、2人に緊張も見えた。こんな公民館で中年素人7人相手にでも緊張しているのが、この公開収録を大事にしていて、私たちをお客さんとして扱ってくれているのが伝わり、正しいかわからないが、少し嬉しくもあった。大変良いものが見れた。
漫才が終わり、2人は収録用マイクの準備しながら、改めてみんながここに来てくれたことに対してお礼を言ってくれた。
ここから先の内容は、実際のラジオを聞いてくれればわかると思うのでその場の感想と放送されないところを箇条書きで。
・今回の公開収録にあたり、最近はメールを送っていなかったリスナーからもたくさんメールが届いていた。こちらも嬉しくなった。
・この番組は沖縄と北海道のリスナー率がなぜか高い。そしてオーストラリア(おりぱっつぁん)もいてワールドワイドだ。
・寅人さんが、白髪短髪色黒男のすったにさんのことを清原と言ったのがとても面白かった。(そうとしか見えなくなる)
・あんけいよーさん、当日は回復していたようだが、心臓がヤバくて大変そう(後日、カーボーイで太田さんが話してましたね。なんだか倍面白かったし倍心配でもある)
・じゃんけん大会で勝った人から2人が用意してくれた私物入り福袋を選ぶ。私は2番目に買って大きい袋を取ったのだが、2人のリアクション的にどうやらハズレだったらしい。中身は中国のお菓子詰め合わせと、パチンコ屋のタオル(あんけいよーサイン入り)、入浴剤のハブ。 あとであまりにあれだということであんけいよーさんから爆笑問題タオルを貰う。
・ふねさんは腰が痛そうに、座布団で身体を悶えさせながら、本当にとてもとても辛そうだったよ(ZONE「secret base〜君がくれたもの〜」の「僕は照れくさそうにカバンで顔を隠しながら本当はとてもとても嬉しかったよ」のリズムで)
・オフレコの「記者会見」のコーナーは、本当に貴重な話が聞けた。あんけいよーさんが作家になるまでの経緯、現在の仕事の内容、爆笑問題とのエピソードなど、寅人さんの嫌いな人の話、不動産屋の怖い話など。タイタンの学校に通っている与太ガラスさんはあんけいよーさんに具体的なアドバイスを貰ったり、あと途中からかねやんさんがスーパージャーナリストと化して質問が止まらなくなっていた笑
・ドブリンの音声ネタすごく面白かった。音声が流れてるときの恥ずかしそうなドブリンさんも後ろから見えて良かった。私の送った音声ネタも目の前で流されると恥ずかしかった。でも恥ずかしいことをやっているんだと改めて自覚することは良いことだなと思う。
・最後に閉会の言葉。2人の今回の公開収録への想い、話せるところを手紙にして真摯に話してくれた。同じ空間で聞けて良かった。寅人さんは読みながら感情が溢れてしまっていた。あんけいよーさんはビートたけしのモノマネでボケながら、時折スベっていたのかもしれないけど、僕は面白かったですよ。(この手紙の部分だけでも「笑え金魚ちゃん」リスナーは聴いて欲しいな。でも大切だからここだけを聴いて欲しくないような気もする。どっちでもいいか)
2人はいろいろな想いがあってラジオを続けているんだとわかる。承認欲求や表現欲求の為にラジオをやっているわけでは決して無い。2人の忙しさからして、ラジオをやることの労力と今のリスナー数を考えると、正直やる必要性は全く無いんじゃないかとも感じる。でも、それでも続けている。それは色々な想いがあるのだと思う。もちろん「笑え金魚ちゃん」への想いとか。ひとつ言えるのは、みんなの期待に応えたいという想いが一番にあるのだと思う。私も2人がラジオをやる限り、聴き続けたいし、メールも送りたい。聴いてる人数少ないしと言い訳してだいぶ手抜きの音声ネタを送っているが、2人のラジオを少しでも成立させる手伝いになれば。私は2人のことがやっぱり好きだし、とても縁と恩を感じている。2人を応援してます。
公開収録終了。予定時刻より時間は過ぎてしまい、撤収片付けを急いでとりかかる。
寅人さんの号令で、みんなで集合写真を撮る。あとで寅人さんも言っていたのだが、確かにこの9人には謎の結託が結ばれたような気がする。仲良しとかではなく、特別な絆。
撤収作業をしているうちに、あんけいよーさん、寅人さん、空条桃太郎さんと犬大丈夫の4人になる。空条さんが金八から着替えてるとき、パーソナリティー2人と少しゆっくり話をした。あんけいよーさんに私から聞きたかったことを質問したり。
空条さんが着替え終わり、4人で写真を撮る。(当初からなぜか私と空条桃太郎さんは両軍のキャプテンという設定になっていた)
外に出てみんなで駅へと向かう。寅人さんは自転車で来ていて地元感が溢れ出ていた。
金八先生(空条桃太郎さん)をリーダーに、駅前の鳥貴族で全員で飲み会へ。
あんけいよーさんは深夜から朝にかけて自宅で仕事があるとのことだったが結局飲み会にも付き合ってくれた。(その仕事内容も教えてもらったが「これはタイタンの作家ですわ」という内容)でも心臓に不安があるのでアルコール無しでの参加。人生の先輩である、すったにさんや、かねやんさんからは、心臓は危ないからマジで病院に行けよとしつこく言われていた。
飲みながら、隣の席のあんけいよーさんに「かねやんさんって、せんだみつおにちょっと似てますよね」と言ったらすぐにバラされた笑
寅人さんとはドラマ「日曜の夜ぐらいは…」の話をしたり、ドラマや映画の話を少しした。
飲み会自体は1時間半くらいだっただろうか。みなさんの終電の時間に合わせて終了。支払いは謎のお金が登場して、私はほとんど支払っていない。ごちそうさまでした。
店を出てここで寅人さんとはお別れ、と思いきや、いつのまにか駅の改札の中にまで入っている。別れるのが寂しいから上野まで着いていくと言う。公園で遊んだあと家まで着いてきちゃった野良犬のようだ。野良犬はさすがに失礼だから野良寅か。
みんなで電車に乗るのもなんだか不思議で面白いなと思った。
そしてそれぞれの帰路に着く。
寅人さん、与太ガラスさんとは上野まで一緒に来た。与太ガラスさんは乗り換え、私は上野に宿を取っていた。別れる前に3人でも写真を撮った。
寅人さんが帰れる終電の時間まで少しお茶しましょうよと誘ってくれたので、上野で喫茶店に入った。
そこでは寅人さんからいろいろ深い話を聞かせてもらいました。信頼してもらえているようで嬉しかった。ちなみにそのときに寅人さんから、また前回の公開収録のようにブログを書いて欲しいということを言われたので今回もこうやって書いている次第です。
そして別れを惜しみつつ解散。
長い1日でした。
とりあえず思い出せるところを書き出してみました。公開収録のレポートでもなくこれはただの私の長い日記ですね。ダラダラと長い文章、最後まで読む人いるのかこれ。
とにかく、「シーラカンスの逆襲」、並びに、あんけいよー、寅人の更なる発展を願っております。
犬大丈夫
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